乳酸菌は魑魅魍魎のグレー?アングラ?ブラックな世界?

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乳酸菌は癌に効く?

今思えば、本当に本誌の記事だったのか、それとも一見記事に見える単なる広告だったのか忘れてしまいましたが、「乳酸菌は癌に効く」という主旨の雑誌記事を読み、医学データもそれなりに掲載した説得力のある内容だったので、へー、と思いながら読みました。

 

興味を持つと、自分が納得いくまで、とことん調べたくなる性格なので、帰宅後に早速検索してみました。すると乳酸菌をつかった食品メーカーのサイトから病院・医療関係のホームページまで、いたるところにそれっぽい記事がたくさん出てきたので、たぶんそうなんだと思います。一例として順天堂医院がん治療センターのこちらをご覧ください。ヒトの体内にはがん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃する、NK細胞というリンパ球があるそうですが、それについて、「NK活性を上げたり、またストレスで低下するのを防ぐことが出来るのはヨーグルトのような乳酸菌飲料やシイタケ等に含まれるβ-グルカン」と書かれています。病院のがん治療センターのウェブサイトに明記されているんですから、NK活性→癌に効果的、というとらえ方をしても間違いではなさそうです。

 

日本の乳酸菌の歴史とビジネス

さらに調べてみると、乳酸菌を「おなかにいい」だけでなく、病気などにも対抗しうる「健康への活用」という観点で取り組んだのは、現在87歳で今も活躍されている、光岡知足博士が先駆者のようです。光岡博士は腸内細菌の権威と言われ、腸内細菌学という分野を切り拓いて樹立した著名な研究者とのことですが、ご自身が自ら開発した腸内細菌の分離・培養法をつかって自分の便を研究し、人の乳児にしか存在しないと言われていたビフィズス菌が大人の腸にもあることを発見した時には、学会で話しても誰にも信用されず、「そんなことはありえない。光岡は何か違うものを見たのだろう」と言われたそうです。(全体の「2割」が変わるだけで調和が訪れます(光岡知足インタビュー①))(JPG

 

その光岡博士のプロバイオテクスの歴史と進化という資料などによると、日本の乳酸菌の開発の歴史は以下のようです。

●大正初期
三島海雲が、モンゴルの発酵乳からヒントを得て、現在のカルピスのもとになる殺菌乳酸菌飲料をつくって販売
●大正3年
初代正垣角太郎はメチニコフの不老長寿説に影響を受け息子 正垣一義の協力を得て、日本ではじめてヨーグルト事業を開始
●大正13年
正垣父子は、ヨーグルトの製造にブルガリア菌、アシドフィルス菌、乳酸球菌、酵母菌を用いて長時間(120時間)発酵させた濃厚な液状乳酸菌飲料「エリー」を宅配として発売
●昭和10年
代田(シロタ)稔がヒトの糞便から分離したカゼイ菌を用い、乳酸菌飲料としてヤクルトの販売を開始
●昭和45年
正垣一義が16種類乳酸菌の共棲培養物から代謝物の抽出に成功

 

ところが、三島海雲(カルピス元祖)も代田稔(ヤクルト元祖)もWikipediaに載っているのに、同じぐらい実績があると思える、正垣角太郎や正垣一義は載っていないんですよね。カルピスやヤクルトが国民的な飲料に成長したのに比べ、正垣父子の事業は失敗したようで(一時は軍にも採用された)、研究部門は光栄科学研究所というところに引き継がれ、派生した別会社は最終的にビーアンドエス・コーポレーションという名前でラクティスという商品を販売しているようです。(乳酸菌ひとすじ半世紀、専門メーカーを率いるトップが 語る乳酸菌ビジネスとは? 株式会社 光英科学研究所 代表取締役社長 村田公英さん)(京都市。ここが原点です/ビーアンドエス・コーポレーション)有名な商品につながらなかったからWikipediaに出て来ないのかなぁ・・・学術研究と商品開発は別物だし、Wikipediaは誰でも自由に記事作成ができるフリーのデータベースなので、誰か作ってあげてもいいような気がするんですが。

 

そんな謎が残る正垣父子なのですが、光岡博士はプロバイオテクスの歴史と進化という資料で、Wikipediaなどには掲載されていない正垣父子についてもきちんと言及してます。何か関係があったのかなぁ?と思っていたら、正垣父子の研究を引き継いで設立されたらしい光栄科学研究所のサイトに、「近代における乳酸菌生産物質の研究は、戦中戦後の大変な苦労の中、正垣一義氏によって続けられ、光岡知足先生をトップとする現代研究者によって引き継がれ現在に至っている」と書いてありました。師弟関係とまではいかないまでも、人脈的に何かの関連性はあるのかも(それを利用して光岡博士の知名度をPRに活用している?)。そのため、光栄科学研究所のサイトには、なぜか光岡博士のプロフィールが載っているし、サイト内には対談記事まであるようです。でも乳酸菌ってなぜか、そういう開発の歴史や系譜みたいなものが、ものすごくぼんやりとボカされている気がするんですよねぇ・・・

 

光岡博士のプロバイオテクスの歴史と進化という資料を見ると、腸内フローラと腸内腐敗生産物に効果がある加熱乳酸菌として、Enterococcus faecalis EC-12 という菌が実験にも発表にも使われているんですが、このEC-12という菌株の名前は学名ではなく、ベビー用品のコンビが自分のところで開発したオリジナルな菌のようなんです。(生菌ではない先進的な乳酸菌原料 殺菌乳酸菌EC-12とは?

 

光岡博士はその世界では大きな影響力があるようで、乳酸菌メーカーや健康食品メーカー、引いては健康食品の通販サイトや関連のアフィリエイトサイトまで、あっちこっちで名前を使われたり研究や著作が引用されていますが、「(医薬品に頼らず)機能性食品でも腸内環境を改善できる」というポリシーでヨーグルトなどの食用を勧めている先生なので、食品メーカーも威光に飛びついているのだと思うし(中には本当に先生自身がそう言っているのか疑問で、拡大解釈しすぎの内容もある汗)、色々な働きかけもあるんでしょうね。逆に先生達がメーカー側の申し出(自社菌の提供や環境資金面の支援、共同研究の打診や依頼など)を利用しているなど、持ちつ持たれつの関係があるのだと思います。

 

乳酸菌製造会社はグレー?ブラック?

製薬業界をネット検索するとグレーな噂話を目にすることが多々あります。乳酸菌は医薬品ではないので、導入や参入の垣根が低いということになるのでしょうか、市販の食品に採用されるだけでなく、MLMや訪販で売られるような高額な健康補助食品(いわゆるサプリメント)の主成分になっているケースも多いです。そっちも、調べていくと、会社の生い立ちが、なんとなくきな臭いんですよ。

 

先に紹介した光栄科学研究所の場合は、会社の沿革を明確にサイトに掲載しており、出自がはっきりしていて正統感があるんですが、一時期、ヒットして話題になった(らしい)コッカスという健康食品を出しているアドバンスという会社は、ホームページを見てみると、サイト全体がシンプルで文章の量も多くなく、主成分のコッカス菌?に関する説明や研究成果なども全くありませんし、レイアウトもひと昔前のスタイルです。会社の沿革を読んでもなぜ発売に至ったのか、どんな開発の経緯があるのか、さっぱりよくわかりません。コッカスの販売形態がMLM(ネットワークビジネス)というのも、ちょっとね・・・

 

コッカスは10年ぐらい前に、個人的に勧められたことがあるんですが、高いし怪しいし拒否感を全面的に押し出して、瞬間的に突っぱねました。でも、コッカスも元をたどれば乳酸菌だったんですねぇ(最近知りました汗)。それなりに評価がされていて一定の愛用者はいるようですが。

 

検索してたどり着いたこちらのサイトで確認すると、「コッカス菌は30数年前、元ヤクルト首席研究員、河合康雄博士とアドバンス、大島研三先生(日本大学名誉教授、日本動脈硬化学会名誉会長、日本腎臓学会名誉理事長)、越浦良三先生(薬学博士、元北陸大学学長)その他多くの医師、研究者らによって共同開発されたものです。」と書いてありました。しかしそれに続けて「初代アドバンス研究所所長、河合博士がアドバンスを退社後、エンテロコッカスフェカリスカワイ株と称して類似品を販売し本書を出版 」とも。

 

すると河合博士はアドバンスの社員だったのかな?調べてみると確かに、河合博士はその後、自分で会社をつくってエンテロコッカスフェカリスカワイ株という類似品?を販売されているようです。河合博士のつくった会社は乳酸菌河合研究所というようで、そこには発見時の新聞記事の画像の紹介などもあり、この方が研究成果を上げたことは確かですが、後述する当時(1984=昭和54)の新聞記事では、発見した菌の名前が「エンテロコッカス・フェカリス・カワイ株」となっているので、必ずしもコッカス菌の模倣品というわけではなさそう?です。てか、自分で開発しているのに、なんで類似品呼ばわり?アドバンスと何かの契約や権利等があったのでしょうか。

 

なんだかわけがわからなくなってきた私は、それからしばらく検索してみましたが、光岡博士と違って、河合博士に関しては、検索しても自社サイトと著作物の情報サイト、そしていくつかの通販サイトに紹介があるぐらいで、めぼしいその他の情報がほとんど出て来ないんですよね。ですが、国立情報学研究所の論文検索サイトで「河合康雄」で検索すると、論文がたくさん出てきますし、特許情報プラットフォームでも、名前を入れるとアドバンス時代の特許が一杯出てくるので優秀な研究者であるのは間違いありません。なのにアドバンスのサイトにはその記述が一切ないし、博士の名前も全く出てきません。

 

そこで仕事のついでに図書館に寄って、新聞の縮刷版や新聞社のデータベースを探してみると、あ、発見時の記事が確かに1984年(昭和59年)6月17日の読売新聞縮刷版にありました。早速、図書館でコピーしてファイリング。その後探してみると、この記事はコッカスを販売している通販サイトでもよく活用されているようです。本文はこちらのFacebookjpg)でも確認できますが、紹介者はコッカスの販売者のようなので、製造元のアドバンスのサイトには一切記述がないのに、販売者のほうはガンガン宣伝しているという、これまたよくわかんない感じ。

 

 

ついでに、朝日新聞のデータベースでも河合康雄博士について記事を探してみると、えー!びっくり。なんと、アドバンスが薬事法違反で捜索されているではないですか!記事には河合博士の名前も・・・・(だから今は仲たがいしてお互いに関わらないってこと?)

 

 

そして、当時の社長の名前でネット検索してみると、詐欺容疑で逮捕jpg)というブログまで、出て来てしまいました。うーん、なんとなく・・・なんとなくですよ?このアドバンスという会社はグレーのような、黒っぽいような、危ない香りがしますな。事実を認めつつ擁護するブログJPG)もありますが、その記事がそもそも「必携!MLM情報」というネットワークビジネス情報のブログなので、あまりお日様が当たる世界の感じがしません。

 

河合康雄博士を調べていくと、この先生はアドバンスを退社後、今度はニチニチ製薬という会社に移って、プロテサンという乳酸菌サプリの研究開発に携わったようです。特許情報プラットフォームでは、ニチニチ製薬時代の特許もいくつか出てきます。なので、ニチニチ製薬を調べてみると、今度はなんと親会社がデイリーというゴルフ場開発?会社で、会長は大阪日日新聞の元代表らしいですが、大阪日日新聞は、あの、笹川良一の弟さんの笹川了平という方も社長をやっておられたようですし、うーん、こっちもまた、グレーっぽいというかなんというか。ちなみに、大阪日日新聞ってちょっと変じゃない?というスレッドを読むと、あまりまともな新聞社ではないような・・・

 

偶然、先日読んだ「反転―闇社会の守護神と呼ばれて (幻冬舎)」の中に、アイチに出入りしていた人達の名前の中に、大阪日日新聞の代表の名前も挙がっていたので、えーー!と思いました。この人って黒い人脈の人なの???

 

ですがニチニチ製薬そのものは、河合康雄博士が退社したあとも、独自にきちんと研究開発を続けているみたいで、論文もたくさんあり、会社自体は普通の会社みたいです。最近(といっても2014年ですが)も、東大と連携してFK-23という乳酸菌に関して、がん転移抑制効果についての記事がサンケイビズに掲載jpg)されているし、三重県が運用しているみえの企業まるわかりNAVIでも紹介されていますので、少なくともニチニチ製薬自体は怪しい会社ではなさそうな雰囲気です。プロテサンも概ね評価が高くファンはいるみたいです。

 

「乳酸菌が癌に効く」という記事(だったのか広告記事だったのか今は不明。雑誌も不明)を読んで、ちょっとした興味で調べ始めましたが、一番知りたい肝心のところがネットには情報がなかったり、曖昧だったりすることが多く、フラストレーションを感じていました。

 

乳酸菌は大元の開発者自身がどこかの会社に在籍したり移籍したり、自分が会社をつくって市販品の商品開発に携わることもあるため、同じ由来の菌を使っていても、メーカーにとっては開発したその人が一番のライバルということもあり得ます。また、医薬品ではないのに癌などに効果がある、と仮定すると、法律に厳重に管理される医薬品と違って、お金儲けを狙って様々な会社が群がるのは理解できますし、その中にはブラックな企業もあるのだと思います。健康を支援する業界のはずなのに、実際は想像以上に魑魅魍魎とした世界だなぁと思いました。


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