今日、調べ物で中部電力さんのサイトを見ていたら、
碍子(がいし=絶縁体)の説明でこんな記述がありました。
一列のがいしで強さが足らない時は、二連、三連と並列に増やしていきます。
え?「足らない」?
「足らない」というのは高校のおじいちゃん先生などが使いそうですが、
自分は言わない言葉です。
これって、方言とか地域的な話し言葉なんじゃないの?
そう思って調べてみたら、意外なことに間違いではないそうです。
ここ(NHK放送文化研究所) (ウェブ魚拓)にわかりやすい解説が載っていました。
まとめると、おすすめするのは「足りない」だが、「足らない」も可、ということになります。
要するに「足りない」のもっと古い言葉が「足る」で、
「信用するに足る」などという使い方が今もありますが、
それは古風な言葉遣いであり、話し言葉としてはあまり使われず、
現代語としてよく使われる「足りる」の否定形「足りない」のほうが、今はふさわしい。
だからと言って「足らない」が間違いというわけでもない。
ということになるでしょうか。
なんだか、明快でものすごく納得してしまいました。
言葉が持つ微妙な部分にもきちんと言及されていて、
これをお書きになった塩田雄大さんという方の説明は、
なんて素晴らしい説明なんでしょう。
私はこの文章に感服して、惚れ惚れしてしまいました。
こうなると、即検索!です。
塩田雄大さんという方はNHK放送文化研究所の主任研究員だそうです。
現代日本語史における放送用語の形成の研究など、いくつか著書があり、
三省堂国語辞典の編集にも関わっている方だということがわかりました。
あら、10/9のクローズアップ現代 (ウェブ魚拓)にも出ている方なんですね。
そして、日経Bizアカデミーで梶原 しげるさんという方が、
塩田さんのコラムを引用したり、実際に対談して書かれている、
↓↓↓以下の記事も面白かった!!!
いつの間にか「新語」の市民権を得た「歩きスマホ」 なぜ「スマホ歩き」ではダメのか!? (ウェブ魚拓)
前述の10/9のクローズアップ現代で紹介されている塩田さんの発言も、
言葉を使う人の心情がよくくみ取られていて、深く頷けます。
この方の著書を読みたくなりました。買おうかな。
Amazonでは以下です。私は早速「欲しいものリスト」に入れました。
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